『デビルメイクライ5』レビュー 90/100

ゲームレビュー

ピュアアクションに革命は不要


ステージクリア型のアクションゲームを遊ぶのはとても久しぶり、しかもカプコン製のピュアなアクションとなると何年ぶりになるのだろう。ステージクリア型3Dアクションであるデビルメイクライは、2008年に発売された「4」を最後に続編が出ず、それから11年経過しようやく続編である「5」が発売されたのだが、11年という歳月は長く、オープンワールドやFPSが隆盛の昨今、ステージクリア型3Dアクションは、もはやマニアックと言ってもいいジャンルになった。

デビルメイクライ5はそんなステージクリア型3Dアクションをどのように作ったのか。

発売日を楽しみにしていた僕は購入してすぐさまプレイし、12時間ほどでクリアまで到達したのだが、最も強く感じたのは「何も変わっていない」という感覚だった。

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レビュー

何度でも触りたくなるゲームプレイ

デビルメイクライはスタイリッシュに悪魔を倒すことが醍醐味なのだが、別にそんなこと考えずにプレイしてみてほしい。何度もプレイしているうちにおのずとスタイリッシュにプレイしたくなってくる。

というのもこのゲームは適当にボタンを連打した場合、キャラクターは持っている武器で一定の攻撃を出すのみなので、とてもスタイリッシュとは言えないプレイになったり、単純にボタン連打だと攻撃が繋げられずスムーズに敵が倒せないので、自然といろいろな技を試すことになり、ゲームクリアまで到達するころには、そこそこスタイリッシュにプレイできるようになっている。

VOID(練習ステージ)で腕を磨くのもいい

とはいえクリアまでプレイした段階での、君のプレイのスタイリッシュ度はまだまだひよっこだろうし、このゲームはクリアするまでならとても短く、大体12時間ぐらいでクリアできるため物足りなさを感じると共に、すでにこのゲームのアクションの気持ちよさに魅了されているだろうし、この段階ではすべての技を習得していないので技を覚えるためにも、もっとプレイしたくなってくる。

しかもゲームをクリアすると新たな難易度が解放されるため、君は嬉々として新たな難易度で2週目のプレイを始めることになるのだが、難易度が変わり敵の配置は変わっているが、そこまで劇的な変化はないにも関わらずとても楽しい。

そして2週目をクリアした後に、もう一度同じ難易度のすでにプレイしたことがあるステージを選択しプレイを始めるが、とても楽しい。こうなるともう止まらない、君は何度も何度もプレイを繰り返しさらなる気持ちよさ、さらなるスタイリッシュなプレイを目指し続けることになるだろう。

これらは僕が「デビルメイクライ5」で体験したことなのだが、この記事を書いている今もPS4の電源を付け1ステージだけプレイしたいという気持ちに襲われている。

変わっていない物 美化された「デビルメイクライ4」

見た目だけで言えばVが好き

このゲームのプレイアブルキャラクターは3人存在している。

スタンダードで使いやすいが、義手の扱いにクセのある「ネロ」。いろんなことができる代わりに操作の難易度が高い「ダンテ」。プレイしている最中「これはデビルメイクライなのか?」と思うほど異色なキャラ「V」。

それぞれ全く違う性能を持っているが、ネロとダンテに関してはデビルメイクライ4から登場しているため過去作のプレイヤーには馴染み深い。キャラクターとして馴染み深いだけでなく、操作性もほぼ変わっておらず、過去作のプレイヤーは昔と同じ感覚でプレイすることができるだろう。

11年前に発売されたゲームとほぼ同じと聞いて、不安に思った方がいるかもしれない。しかしこれはあくまで感覚的な話であり、実際には様々なチューニングがなされている。まずカメラは右スティックで操作可能になっていることが大きな変更点だ。デビルメイクライ4をレビューのためにプレイしたのだが、カメラが操作できないことに戸惑ったので、僕の中ではデビルメイクライ4が美化されていたということだろう。

「5」をプレイしてから「4」をプレイするとカメラ以外にもエネミーステップ(敵を踏みつけてジャンプする技)がやりにくかったり、細かな調整が確認できたが、「5」をプレイしている最中は「変わってないな」と思う。これは過去のデビルメイクライを遊んでいて、現代の快適なゲームに慣れた人だけが味わう感覚であり、美化されたプレイ感を上回る快適なプレイが提供されているということだ。

特に好きな調整がネロの空中での3連続攻撃の変化。「5」でこの技は最終段で敵を斜め下に吹き飛ばす性能になっているのだが、「4」では真下に吹き飛ばすようになっており、真下の敵を落下攻撃で追いかけたり、敵を引き寄せてさらにコンボを加えたりできたのだが、これだと上下の動きが中心になってしまい、横への動きは少なくなる。もちろん工夫次第で横への吹き飛ばしもできるが、少し特殊なコマンドが必要な技を繰り出す必要があった。

斜め下に突っ込むネロ

しかし「5」では空中でコンボを決めると敵は斜め下に吹き飛び、そこに新技である「ペイライン」というネロ自身が空中から斜め下に突撃する技を使うことで、自然と横への動きが生まれダイナミックな戦闘が行えるようになっている。このような細かな調整のおかげで、デビルメイクライ5は変わってないのに面白いという感覚になり、何度でもプレイしたくなる魅力が詰まっている。

新キャラクターである「V」は、自分では攻撃を行わず3体の悪魔に指示を出して戦う今までに無いキャラクターで、難しそうなイメージを持つかもしれないが攻略するだけなら操作は簡単。しかしスタイリッシュにプレイしようとすると、複数のキャラクターの配置を考えコンボを決める必要があるのでとても難しい。

このキャラクターはダンテやネロとは全く違う性能であり、プレイヤーが習得すべきテクニックも全く異なるので、ユーザーにこのゲームを飽きさせないためのいいアクセントになっている。

急なストーリーもアクションのため

このシーンのニコが好き

デビルメイクライ5のストーリーで感動したり、意外な展開に驚くということはないだろう。いやある意味終盤は驚くのだが、それはあまりにも唐突に起こるあるキャラクターの覚醒シーンによるものなので、あまりストーリー的な爽快感は無いし、ラスボスの動機や行動も過去作よりもわかりづらいものになっていた。

とはいえキャラクターやシーン自体はとても魅力的だ。トリッシュやレディには大人の魅力が、ニコは元気で可愛らしい性格になっていたし、Vの戦闘力の低さからくる言動にはとても好感が持てた。

Vの魅力が詰まったシーン

一応のストーリーはあるものの、そこに期待しすぎない方がよく、クリアした後はひたすら自分の腕を磨くことが目的になるので、このゲームではストーリーの品質による、ゲーム内容への影響は非常に少ない。しかも終盤の急な展開のおかげで3人いる主人公の一人は、全く違うキャラクターだといっても過言ではないほど強化され、2週目のプレイは1週目とは爽快感が段違いに上がり、ストーリーすら楽しいアクションのための物だったのだと感じる。

ロード→ムービー→ロード→プレイ

デビルメイクライ5は今時珍しい古典的なスタイルのゲームで、ステージの最初と最後に必ずムービーが差し込まれる。ムービーに限らず通常のプレイ画面でもそうだが、非常にグラフィックがリアルなものになっており、ムービーの内容もキャラクターの個性を感じさせるものや、ユーモアがあるものが多く、次のムービーが気になる。PS2時代のゲームのようにムービーがご褒美として与えられており、最近のシームレスなゲームをプレイしていた方には新鮮に感じるか、もしくはうっとうしく感じるかもしれない。

この画面を何度も見ることになる

ステージの最初にロードが行われ、ムービーが流れまたロード、そしてステージ開始前の画面に移行し、ステージをスタートするとまたロード、そしてようやくプレイに入れる。

頻繁で短いとはいえないロードはこのゲームの明らかな欠点ではあるが、それを補って余りあるゲームプレイの面白さがあるし、ステージが開始された後はほぼロードなしでステージクリアまで到達できるので、すこし我慢すれば最高のアクション体験が途切れることなく味わえ、頻繁なロードも前菜のようなものだと感じた。

レビューのまとめ

11年かけて蘇ったデビルメイクライは過去作と変わらない面白さを維持どころか、凌駕していた。

各アクションの手触りが良く、クリアした後でも何度もプレイしたくなるのは過去作と変わらないが、キャラクターが増え1人のキャラクターが行える行動も増えたので、スタイリッシュプレイを極めるには相当な時間がかかるだろう。

頻繁なロードやムービー多めの古いスタイルではあるが、これでいいのだ。カプコンがアクションにすべてを注ぐとこうなるのならば、それを受け入れて洗練されすぎたアクションをひたすらに楽しめばいい。

スコア 90/100

GOOD

  • 3人のキャラに濃厚なアクションが詰まっている
  • 3Dアクション最高峰の操作性や爽快感
  • うまくなるために何度もプレイしたくなるリプレイ性

BAD

  • 頻繁なロード
  • 薄くわかりにくいストーリー