『モンスターハンターワールド:アイスボーン』レビュー アクション面のパワーアップが正に”G”級なDLC

ゲーム

モンスターハンターという国民的な人気を誇るゲームは非常にシンプルなサイクルになっており、基本的にはモンスターを狩る→狩ったモンスターの素材で装備を作る→さらに強いモンスターを狩る・・・ということを繰り返す。ただそれだけのゲームだ。「モンスターハンターワールド」では、このサイクルを100時間ほど繰り返すことで、エンディングまで辿り着くことになったのだが、その100時間は非常に楽しく飽きが来ることはなかった。

そして『モンスターハンターワールド:アイスボーン』ではどうだったのかというと、ひたすらモンスターを倒し、武器を作り続けて100時間。飽きることは無くエンディングまで辿り着くことが出来た。一体なんなんだモンハンって。

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大量の追加要素によって増えに増えたボリューム

『モンスターハンターワールド:アイスボーン』(以下アイスボーン)は「モンスターハンターワールド」(以下ワールド)の追加DLC。ワールドにモンスター、探索地、装備、新たなランクのクエストなど様々な要素が追加されるもので、シリーズ経験者に向けて言えば「G」に相当するものと言えばわかりやすいだろうか。

モンハンは装備を作るためにモンスターを倒すゲームなので、モンスターが一体追加されるだけでも、武器が各武器種ごとに追加され、防具とそれに伴うスキルも増えるため非常に大きな変化となる。新しいモンスターがDLCで追加される時、大体ツイッターのトレンドに入るというのは、それだけモンハンプレイヤーにとってモンスターが増えることが嬉しいということ。

アイスボーンで追加されるモンスターの数は28体。それに加え従来のモンスターも新しい難易度であるマスターランクでは新たな動きを見せてくれる上に、作れる防具武器もその分増えることになるため、今のアイスボーンには大量の装備が存在しており、コンプリートするためには膨大な時間が必要になることは間違いない。膨大なボリュームの追加要素はDLCにもかかわらず、今までの「G」を超えるている。

DLCレベルを超えたアクション面の大幅な強化

モンハンは性質上、同じモンスターを何度も倒すことが多いが、それでもなかなか飽きがこないのはアクションの質が非常に良いからだろう。プレイヤーが扱える武器が14種類存在しており、それぞれの武器に多くの技があるが、そのどれもがモンスターの状態によってダメージが変わったり、吹き飛ばしたり、攻撃をよける効果があるなど、プレイヤーの腕前次第で同じ武器でも全くレベルの違う戦いができる。アクションの面白さがあるからこそ何度も遊びたくなり、アイスボーンではさらに強化されている。

アイスボーンではアクション部分がさらに強化されているのだが、そのかなめとなるのがスリンガーから射出できる「クラッチクロー」を用いたアクションだ。スリンガーはワールドで初登場したシステムで、フィールドで拾った石や木の実などをパチンコのように打ち出してモンスターにぶつけることが出来たり、フックショットのように縄を引っ掛けて移動したりできるのだが、戦闘で使うときはモンスターをちょっとひるませたり、アイテムを遠くに飛ばすなど、あくまでも補助として使うものだった。

しかしアイスボーンではクラッチクローによって、スリンガーが脇役から一気に戦闘の主役となった。クラッチクローをモンスターに打ち込んで一気に距離を詰め、そこからスリンガーをゼロ距離で打ち込むとモンスターがプロレスラーのように走っていく。そして壁に当てることでスタンさせることができるようになった。

モンスターがおとなしい時に・・・

ぶっ飛ばして壁に当てる

これは”ぶっ飛ばし”というシステムで、今までのシリーズで言う”乗り”のようなものだが、乗りよりも強い点がある。それは回数を重ねるごとに難易度が上がっていかないので、何度でも使えるという事。このクラッチクローによるぶっ飛ばしというシステムは、戦闘に有効なだけでなく当てると単純に気持ちがいいため、どんどんぶっ飛ばしたくなる。しかもクラッチクロー追加に合わせて、モンスターにぶっ飛ばしを当てるスキが用意され、各武器にもクラッチクローとスリンガー関係の新技なども追加されており、アクションの根幹から変わっていてそれが非常に良い方向に働いている。

ゲームサイクルがさらにスムーズになった

アイスボーンで新たな拠点となるセリエナは、加工屋、食堂、輸入屋、調査管理など各種店舗の配置が、ワールドのアステラに比べてとても近くなっており、クエスト間に頻繁に訪れることになる店をスムーズに回れるようになっている。アステラではよく使う、食堂と加工屋がなぜかクエストが終了した時にプレイヤーが配置される位置からやたら遠かったので、セリエナの快適さを体験した後、クエスト終了後に強制的にアステラに送られた時などは、結構不便を感じる。

セリエナの料理長がかわいい

さらに今作「蒸気機関管理所」という名のスロットが打てる。筆者は現実のスロットは打たないが、ゲーム内のカジノは大好きなので、ドラクエやゴッドハンドのようなスロットがモンハンに登場したことは嬉しい。このスロットではお金ではなく、石炭のようなものを消費して打つことになるので、まったく損をすることがないが、もらえる景品に大したものは無い。ただ狩りで頻繁に必要になる、秘薬や大タル爆弾G、防具の強化素材など割とかゆいところに手が届く感じのアイテムが大量に入手できる。ワールドで大幅にアイテム集めの面倒くささが改善されたが、スロットによってさらに快適になった印象がある。

100時間プレイして”もう飽きた” 時空が歪んでいるのか・・・?

モンスターハンターでよく言われる不満点は「クリアしたらやることがない」ということ。これは正直筆者も感じており、クリア後にさらに遊び続ける人とそうでない人は分かれるだろう。

ただ筆者はアイスボーンをクリアするだけで100時間かかっている。8000円のゲームを100時間かけてクリアし「もう終わっちゃった」と感じていることが異常なのだ。他のゲームなら十二分に元をとれていると感じだろうし、むしろ「面白いけど長いな・・・」と感じることもある。しかしモンハンだと時間が圧縮されているように感じる。同じ100時間でも過ぎるスピードが明らかに違うので、もう終わったなどという感覚になるのだろうか。

160時間の時点でDLCに入ったので、130時間ほどプレイしている

筆者のようにクリアして割とすぐにクールダウンしてしまう人でも、100時間以上遊べる確率が高く、さらに今作はクリア後のコンテンツも充実していて、その一つとして「導きの地」という探索地がある。このフィールドはさまざまな環境が同時に存在し、ほぼすべてのモンスターが訪れる場所になっている。他のフィールドとは違いクエストを受けて探索するのではなく、自分で目的を決めて探索や狩りを行え、フィールド自体のレベルを上げることでレアな素材やモンスターに出会える。ランダム性が高くある種ローグライク的な楽しみもあるので、ハマる人は何度も遊ぶことが出来るだろう。

レビューのまとめ

DLCを明らかに超えたレベルの追加要素の数々は過去の「G」を超えている。そもそもクラッチクローのアクションのような、バトルシステム自体が追加されるというのはモンハン史上初だろうし、爆発的に売れているにもかかわらず、このような挑戦的なことをする今のカプコンの勢いは止まることはなさそうだ。

クエスト間のロードの長さや、クリア後のコンテンツが合う合わない、大味なストーリーなど不満点を言おうと思えば言えるが、このゲームが持つ、狩りと装備作りのサイクルが生み出す中毒性や、素晴らしいアクション、リアルなフィールドとモンスター達の生態などの体験の前には、そんな不満点など些細な問題にすぎず、カプコンが、日本が、世界に誇るゲームだという事は間違いない。

スコア 91/100

GOOD

  • ワールドから大幅に増えたモンスターとそれに関する装備
  • クラッチクローの追加により大きく爽快感が増した戦闘
  • クリア後コンテンツの充実
  • 各種店舗の配置が快適になっている

BAD

  • クエスト間のロードの長さ
  • ストーリーの魅力が薄い
  • クリア後コンテンツにやりがいを見出せない人もいる