『新サクラ大戦』クリア後感想 強引な展開も”愛ゆえに”なのだろうか【ネタバレなし】

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ゲーム プレイした感想

『新サクラ大戦』の女の子は全員可愛い。

真宮寺さくらに憧れる「天宮さくら」は、正統派ヒロインで主人公「神山誠十郎」に最初から恋心を抱いているものだから常にくねくねしてて可愛い。巫女で江戸っ子な「東雲初穂」は強気でデレると可愛いし、作家を目指す「クラリス」は嫌みの無い誠実なお嬢様だが、たまに出る口の悪さもその見た目と声の可愛さにかかれば長所に変わる。忍者を目指す少女「望月あざみ」は特にひねくれたところもなく、クールで素直な可愛さがある。大女優「アナスタシア」は強く美しい女性だが、時折見せる弱さで心を掴まれ可愛く見えてくる。

帝国華撃団花組の可愛さ美しさを、非常によくできた3Dモデルと有名声優による声で彩っている。

アニメパートはサンジゲンが担当しているのだが、2Dのように見える3D技術を使ったアニメは本当にスゴイ。2Dアニメと3Dアニメが重なるシーンでも、プレイヤーに違和感を抱かせないほどのレベルで2Dに擬態している。しかし確かに3Dなのでバトルシーンの躍動感は劇場版アニメのようだ。

会話シーンはほぼカットシーンになっており、キャラの演技、目の動き、カメラワークなど全てがデザインされていて、スタッフの深い愛情と丁寧な仕事には感服するしかない。

これだけの内容、尋常な愛情では成し遂げられなかっただろう。十分に「サクラ大戦」というコンテンツの復活は成功したと言っていい。

 

ただバトルパートや展開の強引さなどの大きな大きな不満を語らないわけにはいかない。

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シャオロンくんどうしたの?

サクラ大戦シリーズでは「逆境」からの逆転が描かれることが多い。当然今作でも逆境からの逆転展開がてんこ盛りだ。

帝国華撃団はお金も人も足りていないうえに、花組の女の子たちは演劇の腕前が足りておらずお客さんが全然来ない。華撃団としての活動も、資金不足からくる装備の老朽化により十分ではなく、帝都の守りは上海華撃団にまかせっきりというありさま。そこに兵学校を首席で卒業し、軍艦の艦長を勤めていた超エリート「神山 誠十郎」が赴任してくるところから物語は始まる。

始まりからいきなり逆境なのはサクラ大戦のお約束。ここから華撃団の女の子たちと共に努力し、友情を育み、そして愛と絆の力で困難を乗り越える痛快なストーリーが始まる。

ただ今作は逆転のために必要な「逆境」が少々、いやかなり強引に作られている印象を受けてしまった。

詳しくは言わないが、序盤は帝都防衛をまかせっきりにしていることもあってか、帝国華撃団は上海華撃団の団員にあおられまくっている。そんな状況で帝都が「降魔」という化け物に襲撃され、資金不足で装備や人員が整っていない帝国華撃団が迎撃するイベントがあるのだが、そのイベントの中でなぜか非常にピンチな状況の天宮さくらに上海華撃団の団員が突然攻撃を加えてきて「お前らは弱いんだよ!」的なことを言い始めるイベントがある。ちなみに華撃団同士は別に敵対しているわけでもない。

本当にもう少しで死にますよーっていうぐらいピンチなのに、特に敵でもない天宮さくらに攻撃を加えてきて煽りまくり、その謎の「逆境」を跳ね返し天宮さくらが根性を振り絞り立ち上がる。そんなさくらを見て主人公である神山が奮い立ち、さくらの救援に颯爽と駆けつける。・・・普通に降魔に攻撃されてピンチになればよくない?

上海華撃団がさくらを攻撃し始める流れが本当によくわからない。しかも神山が到着した後は普通に上海と帝撃が協力して降魔と戦い始める。いや感情がわからんわ。上海華撃団が「逆境」を作るためのコマとして使われたような印象を受けてしまう。

は?

このような強引な「逆境」づくりはこの一回だけではなく、この後も結構頻繁にある。そのたびに私は画面の前で「なんでなんで?」と口に出して言ってしまっていた。そのぐらいのインパクトと違和感がある。

可愛くてハイクオリティな3Dモデルで作られたキャラクター達や、見事にデザインされたカットシーン、豊富なサブイベント、サンジゲンによる謎のすごいテクノロジーで作られたアニメパートが「強引な展開」という欠点とぶつかり合い、感情がちょうど”0”になり、最後まで大きな感動を感じることは無かった。

寝落ちしちゃった!!バトルパート!!

サクラ大戦はのバトルパートは元々シミュレーションだったが、今作では大きく舵を切りアクションバトルになっている。

〇ボタンで攻撃を繰り出し、続けて△ボタンを押すとコンボ攻撃が繰り出せる。そこにジャンプと回避そしてゲージが溜まれば□ボタンで必殺技が撃てる。・・・もうわかると思うが無双だ。

無双シリーズから〇ボタンと□ボタンを入れ替えていることに少々イラ立つが、アクションゲームとしてとても良く出来ていて、攻撃した時の音やエフェクトはとても気持ちよく、大勢の敵を一気に吹き飛ばすと中々の爽快感がある。

さては無双だな!!

ただアップグレードなどは無いので、無双よりもアクションの幅は狭くなっているが、このバトルパートは「新サクラ大戦」のメインパートでは無いので贅沢は言えないし、サブコンテンツとしては贅沢すぎるほどよくできている。

それに無双を本当によく模倣できている。その証拠にこのバトルパート、無双シリーズで寝落ちしたことがある人なら必ず寝落ちする。と思う。

序盤はバトルパートが短いため新鮮な気持ちでプレイできていたが、後半になるとステージが長くなり敵も固くなる。頑張って〇ボタンをポチポチ押すが徐々に睡魔に襲われ意識がなくなってしまった。

しかし安心してほしい。本家無双と同じく寝落ちしている間に敵に攻撃されても30秒ぐらいの間なら、プレイヤーが死なないよう絶妙な難易度になっている。

最後のステージはちゃんと一番長いステージになっているため、私は計5回寝落ちした。ステージをクリアした時に感じた疲れは「SEKIRO」の葦名一心という超絶難易度のボス戦を遥かに凌ぐものだった。まあ疲れの種類も全然違うが。

とはいえバトルシステムを変更した1作目で、ここまでのクオリティのアクションゲームを作れるのは流石SEGA。もし2作目が出るのなら、この方向性のまま改良を加えればメインコンテンツを喰うほどの面白さになる可能性は秘めているし、2作目で寝落ちするような単調な内容になることはあり得ないだろう。次回作、本当に楽しみだ。

コミュニケーションモードのためにある

か゛わ゛い゛い゛

コミュニケーションモードは「新サクラ大戦」の真骨頂だ。シナリオのある段階で好感度が高い女の子とイチャイチャできるモードが「コミュニケーションモード」なのだが、何度も言っているようにこのゲームの3Dモデルはめちゃくちゃ可愛い。そのうえ声優さんの演技は完璧だ。そんなキャラクター達と至近距離でしゃべったり触ったりできる。音響などを含めとても臨場感を感じられるし、自分に対して完全に好意を持っている女の子と至近距離でコミュニケーションをとるという、一部の人以外は中々体験できないシチュエーションを体験できるのは最高だ。

こういうモードは「ファイアーエムブレム」など他のゲームでもよくあるものだが、やはりサクラ大戦はそもそもギャルゲーとして作られている上に、天下のSEGAが魂を込めて作っているのでパッションが違う。このモードは「新サクラ大戦」の存在理由と言ってもいいだろう。

「サクラ大戦」は復活した

強引な展開でストーリーで大きな感動を感じることが出来なかった。バトルパートでは寝落ちしてしまった。それでも豊富なサブイベントや可愛い女の子たち、生き生きとした街の風景などは本当にとてつもない情熱で作られていることがわかる。ストーリーも終盤の展開は結構熱いものになっており、サクラ大戦感を強く感じることが出来た。感動しなかっただけで。

なによりこのゲームの楽曲は田中公平さんが手掛けている。それだけでこれまでの欠点がかすむほどの価値がある。伯林華撃団のキャラが話す時、キャラソンが流れるのだが曲の迫力がすごすぎて、会話が耳に入ってこなかったほどだ。

女子、田中公平、熱いストーリー。この3点セットがしっかりと「新サクラ大戦」には存在しているので、サクラ大戦は復活したと言っていいだろう。

ということで、もっと曲が聞きたいので「新サクラ大戦」の続編待ってます!!