プラットフォーム:PS4
『EARTH DEFENSE FORCE: IRON RAIN』(EDF:IR)は地球防衛軍シリーズの外伝的作品。
地球防衛軍の外伝は今作が初めてではなく、海外のスタジオが開発した『EARTH DEFENSE FORCE INSECT ARMGEDDON』(EDF:IA)が存在している。今では当たり前になった兵科が4種類あるシステムはEDF:IAが初出なので、シリーズの中では割と重要な作品でもある。
EDF:IRが地球防衛軍シリーズとどう違うのか紹介していく。
開発がサンドロットじゃない
EDF:IAの流れを汲む作品だと思い、勝手に海外開発だと思っていたが日本の会社である「ユークス」が開発を担当していた。
ユークスは海外で大人気のプロレス団体「WWE」のゲームやUFCのゲームなど、リアルな”格闘技”ゲームを多く作っていることが特徴だ。また映画「リアルスティール」「パシフィックリム」のゲームも開発しており、主に海外との関りが強い会社だということがわかる。
地球防衛軍の本家は「サンドロット」が開発している。サンドロットは任天堂の「斬撃のレギンレイヴ」も開発しており、その高い開発力は任天堂にも認められている。
地球防衛軍が画面を覆いつくすほどの敵が出現するハチャメチャな見た目にも関わらず、各ステージごとにしっかり考えなければクリアできない絶妙なバランスになっているのは「サンドロット」の開発力があってこそだろう。
しかしユークスが担当することによって生まれる新たな要素にも期待できる部分は多い。
兵科に関係なく武器が使える
地球防衛軍は「4」から兵科が4種類になった。同じステージでも4種類の楽しみ方ができるいいシステムだと思うが欠点が無いわけではない。個人的に思っている欠点としては兵科ごとに使える武器が決まっていることがある。
地球防衛軍ではレンジャー、エアレイダー、ウイングダイバー、フェンサーの4つの兵科があるが、レンジャーでプレイしていてもフェンサーの武器が手に入ることがある。
これはどの兵科でプレイしていても、今使っていない兵科が強化できるように施された仕様だ。これによって2週目で別の兵科を使ったとき全く何も持っていない状態にはならず、最初からある程度強い武器を持って攻略することができ、2週目プレイのモチベーションが向上する。
しかし1週目はレンジャーでプレイしているわけで、そこで別の兵科が手に入ったてもあまりテンションが上がらない。武器ボックスを5個ゲットしてステージクリア後どんな武器か確認すると4種類が別の兵科の武器だったりすることもある。
EDF:IRではこれが改善されており、どの兵科でもすべての武器が使える。これによってどの兵科でプレイしていても手に入るすべての武器にワクワクすることができる。
ただこれだと兵科の個性が薄まるかと思われるかもしれないが、兵科ごとで出来るアクションの違いは大きいのでその欠点はカバーされている印象がある。
兵科によっては虫に乗って戦うこともできる!
EDF:IRの兵科は「PAギア」と呼ばれている。PAギアは4種類存在している。
トルーパー
EDF5のレンジャーに当たる。スタンダードな歩兵。
ジェットリフター
EDF5のウイングダイバーに当たる。空が飛べるが防御力が低い。
ヘビーストライカー
EDF5のフェンサーに当たる。パワーがあり両手に武器を持てるがスピードが遅い。
プロールライダー
腰から糸を放出し、敵に急接近して斬りつけることができるなど、機動力に優れている。見た目でもわかるが立体機動装置っぽさがすごい。今までのシリーズでは存在していないタイプの完全な新兵科だ。
さらにどの兵科にも「オーバードライブ」という特殊行動が存在しており、発動時には個性的な行動がとれる。
プロールライダーの場合EDFが手懐けた巨大な虫に乗って暴れまわることができる。今まで敵だった虫に乗って戦う新鮮な体験ができそうだ。
対戦モードが少し凝っている
シリーズ恒例の協力プレイも完備。今回は6人同時プレイができ、今まで以上にワイワイ楽しめることだろう。
そして今回なんとオンライン対戦が実装されている。地球防衛軍シリーズで対戦モードがあることは珍しくないが今回は、ルールがオブジェクト的なルールになっており、より対戦ゲームっぽくなっている。
対戦は4対4で行われるチーム戦。巨大生物を倒してジェムを手に入れ回収ポイントに届け、手に入ったポイント数で勝敗が決まる。
敵プレイヤーをキルすることが勝敗に直接つながらないのは、FPSのオブジェクトルールやスプラトゥーンのようで、本格的な対戦ゲームを作りたいという気概が見られる。
まとめ
兵科に関係なく武器が使えるのは、本家とは違う要素の中で最も大きいものだろう。これがうまくいけば本家地球防衛軍にも逆輸入されるかもしれない。
大勢の敵と戦う独特の爽快感と高い難易度が両立された本家の良さが継承されつつ、新しい要素がうまく機能すれば外伝として独立したシリーズになるかもしれない。