『Katana ZERO』は予知能力を持つサムライ「ドラゴン」が主人公の2Dプラットフォームアクションで、発表当時から高い期待を寄せられていた。
自分も敵も一撃で死ぬという条件の中で敵を倒していくアクション性や、時間を操るギミックなどゲームプレイ部分への期待が大きかった。
何度か発売延期になってようやく発売されたのですぐさま購入して遊んでみて、一応エンドクレジットが流れるところまではプレイしたのだが、思っていたよりもかなりストーリー重視のゲームだということが率直な感想だ。それは嬉しい誤算だった。
個人的にまだクリアしたという感じがしないので、レビューではなくプレイの感想をストーリーとアクション面で書いていく。
プレビュー
シンプルで手触りがいいアクション
主人公であるドラゴンの攻撃は、刀での斬撃と物を投げるの二つ。しかも刀は連続で攻撃できるわけではなく、一回振ると0.5秒ぐらいのクールタイムが発生するため適当にブンブン刀を振っていると速攻で死ぬ。
この二つの攻撃で、銃を持った敵も倒していかなければならないのだが、ドラゴンは常用している”クスリ”の影響で時間を操ることができるので互角以上に戦うことができる。
この能力を使って銃弾を弾き返したり、高速で動くトラップを見切って回避することがこのゲームの面白いポイントであり、この要素がストーリーにも絡んでくる。
1つのステージは複数のエリアに区切られていて、1エリアクリアできれば、次のエリアに行ける。エリアをクリアするとクリアした時のリプレイが流れるのだが、これが発売前に期待していたような自分のうまさを感じられるような要素にはなっていなかった。ただこの演出がストーリー上重要なものになっていたし、こういうストーリーテリングの手法はあんまり体験したことが無いものになっていておもしろい。
難易度はストーリーを楽しむのにちょうどいい
ホットラインマイアミと似ているという前評判で、それは確かに感じたが、ホットラインマイアミほど厳しい戦闘ではない。ドラゴンの性能の良さや時間操作もあって、ある程度適当なプレイでも進んでいけるため、ストーリーに期待してプレイする方にはちょうどいい難易度になっていた。
どんな状況でもとりあえず時間を操作すれば何とかできるというのは、ストレスフリーでいいかもしれない。そのかわりホットラインマイアミのようにしっかり自分なりの攻略ルートを考える楽しさは薄いように感じた。
謎が多いストーリーと豊富な選択肢が楽しい
このゲームはアクションパートとイベントシーンの繰り返しで進んでいく。イベントでは選択肢が豊富に用意されているのだが、この選択肢のシステムがとてもオシャレかつドラゴンの状態を表現するのに役立っている。
選択肢は最初ドラゴンのイカレた精神状態を表すかのような文言になっているが、少し時間が経つと普通の選択肢が現れる。面白いのは、基本的には少し待たないと冷静な発言ができないが、素早く過激なことを発言することでストーリーが変わったりする要素があることだ。
1回クリアしても選択肢が多すぎるので、2週目の楽しみが豊富にあるのはうれしい。
また『Katana ZERO』の根底には非常に複雑で深いストーリーと設定があるようなのだが、サッと1周クリアしたぐらいでは全く全貌が見えてこないのも面白い。
多分このゲームをやりつくしてもこのゲーム内では語られないストーリーが多くあると思うので、考察しがいがあるゲームにもなっている。
ただホットラインマイアミほどややこしくはない。あれよりは明確にキャラがしゃべってくれるし、設定も説明してくれる。ややこしすぎて楽しめないというほどではない、いいラインに収まっていると思う。
これから正式なクリアを目指す
僕は一応エンドクレジットは見たが、ちゃんとしたクリアではないと言えるものだったので、まだプレイは続けようと思う。
ちなみに一応のエンドクレジットまでたどり着いたプレイ時間は、2時間半。
長いとは言えないが、かなり新鮮な体験ができた2時間半だったので買って損なし。
結果的に意外とストーリー重視だったのは嬉しい誤算だった。