プリコネやグラブルなどのソーシャルゲームを運営し、今や日本が世界に誇る大企業であるサイゲームスが新たなソシャゲーを配信した。
いままでサイゲームスのソシャゲーは主にRPGが多かったが、今回の『ワールドフリッパー』はピンボール。それもあらゆる部分から”ガチ感”を漂わせているピンボールだ。
狂気を感じるほど動くドット絵
まず言わなければならないのは、圧倒的なドット絵だろう。このゲームではUIとキャラの立ち絵以外が、ほぼドットで表現されている。すべてドット絵で作られているゲームもあるので、特に珍しくないと思うかもしれないが、そのクオリティには狂気を感じるほどのものがある。
キャラクターが24×24ぐらいのピクセルで表現されており、それがとても滑らかに、そしてダイナミックに動く。ガチャでキャラをゲットした時の動きは圧巻だ。
エフェクト、フィールド、会話シーン、すべてドット絵
メインクエストの会話シーンでも、キャラの立ち絵+ドット絵での身振り手振りがあって、非常にかわいいし、立ち絵だけの会話シーンよりもリッチだ。欠点と言えばストーリーがどうでもいいものになっていることだろうか。
ゲームプレイ場面でも敵、フィールド、オブジェクトはもちろんエフェクトまでドットで表現されており、開発者の執念を感じる。最高だ。
ピンボールが面白い
ピンボール本来の楽しさ
ワールドフリッパーのバトルはピンボールで行われる。自分のキャラクターはボールの役割になり、画面をタップして画面下部のフリッパーで弾き飛ばし、モンストのように敵に当てることで攻撃できる。敵が強力な攻撃を繰り出すときターゲットが現れ、そこを攻撃すれば、攻撃を止めつつ敵にスキを作ることが出来るので、狙い撃つ楽しさもある。
パーティ構成を考える楽しさ
パーティはメインキャラ1体に付き、1体のユニゾンキャラを組み合わせて1ユニットを3組、計3ユニット6体のキャラで組む。画面をフリックすることで、スキルが使えるのだが、メインキャラとユニゾンキャラのスキルが同時に発動するため、例えば敵に突進するスキルを持つメインキャラと、前方にビームを撃つスキルを持つユニゾンキャラを組み合わせれば、敵に密着しながら強力なビームを当て続けることが出来る。この組み合わせを考えるのが楽しい。
アビリティも各キャラクターごとに方向性があり、体力が多い時強くなったり、スキルの攻撃力が高くなるものなどがある。こういうアビリティの組み合わせはソシャゲーっぽい。
これらの要素が絡み合うことで、ピンボールがしっかりと戦闘として成立しており、何度でも楽しめる。
オートモードは必要なのか
多くのソシャゲーと同様このゲームにもオートモードが存在する。AIが非常に優れたプレイをしてくれるので、よっぽどの強敵ではない限りオートモードで事足りるため、メインクエストはほぼすべてオートで進め、イベントや強力なボスのみマニュアルでプレイしている。
しかしこのゲームは自分でプレイすることで感じられる楽しさが大きいので、オートモードの必要性を疑ってしまった。自分でプレイしても楽しいが、人間は楽な方を選ぶ生き物。オートでクリアできるなら、オートを選んでしまうものだ。このゲームにオートが無ければ普段ソシャゲーしかプレイしないユーザーもちゃんとゲームを楽しむことが出来るのに…ともったいなく感じてしまう。
地獄作業にしないためには絶対に必要
しかしこのゲームはソシャゲーだ。育成や進化のために何度も同じボスを倒して、素材や経験値を稼ぐ必要があるので、オートモードが無ければかなりの地獄作業になってしまう。メインクエストについても、多くのソシャゲーと同じく難易度が低いためオートで十分に勝てる上に、ストーリーの内容も特に先が気になったりすることはなく、ただキャラを育成・入手するためにプレイしているため、オートが無ければ地獄作業だっただろう。
考えた結果としては、ソシャゲーでなければ必要なかったが、このゲームはまぎれもなくソシャゲーなのでオートは絶対に必要だという結論に至ったが、ピンボールバトルのシステムをさらに強化してしっかり”ゲーム”として作られた物をプレイしたいという気持ちは無くならなかった。
個人的ナンバーワンソシャゲー
スキルを考えパーティを組むピンボールバトルと職人芸で魅せるドット絵の組み合わせは、私に今までソシャゲーで感じたことが無い楽しさを感じさせてくれている。この記事を書いている今も、素材集めのクエストをオートで回している最中だ。
ソシャゲーではなくゲームとして作られた『ワールドフリッパー』をプレイしたいと言ったが、長い期間育成を楽しめたり、定期的にイベントが起こったりする楽しさはソシャゲーでなければ味わうことが出来ないので、これからも長く遊べるような運営に期待してプレイし続けていきたい。
なによりこのゲームがサイゲームスから出ていることが嬉しい。非常にソシャゲーらしいソシャゲーをヒットさせ続けてきたサイゲームスが、ゲームらしいソシャゲーを出した。これがヒットすれば、サイゲームスの莫大なパワーで様々な”ゲーム的”な面白いソシャゲーが作られていきそうだ。